測量士補試験の対策問題です。
合格のために活用してください。
問題
GIS
①【A:ラスタデータ・B:ベクタデータ】は、図形や線分を、座標値を持った点又は点列で表現したデータであり、線分の長さや面積を求める幾何学的処理が容易にできる。
GISの活用
②ネットワーク化された道路中心線データを利用し、消防署から火災現場までの最短ルートを表示することができる。【A:正しい・B:誤り】
③災害対策の基本計画を立案するため、緊急避難場所データを利用することとした。緊急避難場所は、地震や洪水など、あらゆる種別の災害に対応している。【A:正しい・B:誤り】
④洪水による浸水範囲の高精度なシミュレーションを行うため、航空レーザ測量により作成されたデータを入手したが、建物の高さが取り除かれた数値標高モデル(DEM)だったことから、三次元建物データをあわせて利用した。【A:正しい・B:誤り】
⑤地震や洪水などの災害による被害を受けやすい箇所を推定するため、過去の土地の履歴を調べる目的で、過去の地図や空中写真のほか、土地の成り立ちを示した地形分類データをあわせて利用した。【A:正しい・B:誤り】
⑥河川流域の地形の特徴を表した地形分類図に、過去の洪水災害の発生箇所に関する情報を重ねて表示すると、過去の洪水で堤防が決壊した場所が旧河道に当たる場所であることがわかった。【A:正しい・B:誤り】
⑦津波ハザードマップと土砂災害ハザードマップを重ねて表示すると、津波が発生した際の緊急避難場所の中に、土砂災害の危険性が高い箇所があることが分かった。【A:正しい・B:誤り】
⑧国土地理院の基盤地図情報ダウンロードページから入手した水涯線データに対して、GISを用いて標高別に色分けすることにより、浸水が想定される範囲の確認が可能な地図を作成できる。【A:正しい・B:誤り】
路線測量
⑨IPの設置とは、設計条件及び現地の地形・地物の状況を考慮して標杭(IP杭)を設置する作業をいう。【A:正しい・B:誤り】
⑩IPの設置では、線形決定により定められた座標値を持つIP点を、近傍の【A:3級基準点・B:4級基準点】以上の基準点に基づき、放射法等により現地に設置する。
答え
①B:ベクタデータ
②A:正しい
③B:誤り
④A:正しい
⑤A:正しい
⑥A:正しい
⑦A:正しい
⑧B:誤り
⑨A:正しい
⑩B:4級基準点
復習・確認
GISは、様々な地理空間情報とそれを加工・分析・表示するソフトウェアで構成される。GISでは、複数の地理空間情報について(レイヤ)ごとに分けて重ね合わせることができる。また、情報を重ね合わせるだけでなく、新たに建物や道路などの情報を追加することも可能である。この建物や道路などの情報のように、座標値を持った点又は点列によって線や面を表現する図形データを(ベクタ)データといい、名称などの属性情報を併せ持つことができる。
GISの応用分野は幅広く、特に自然災害に対する防災分野においては1995年の阪神・淡路大震災を契機にその有用性が認められ、国・地方公共団体などで広く利用されている。防災分野における具体的な利用方法としては、ネットワーク化された道路中心線データを利用して学校から避難所までの最短ルートを導き出すことや、(数値地形モデル(DIM))を使い山地斜面の傾斜を求め、土砂災害が発生しやすい箇所を推定することなどが挙げられる。
①ベクタデータは、図形や線分を、座標値を持った点又は点列で表現したデータであり、線分の長さや面積を求める幾何学的処理が容易にできる。
→ラスタデータは、地図や画像などを微小な格子状の画素(ピクセル)に分割し、画素ごとに輝度や濃淡などの情報を与えて表現するデータである。
②ネットワーク化された道路中心線データを利用し、消防署から火災現場までの最短ルートを表示することができる。
③災害対策の基本計画を立案するため、緊急避難場所データを利用することとしたが、緊急避難場所は、地震や洪水など、あらゆる種別の災害に対応しているとは限らないことから、対応する災害種別が属性情報として含まれるデータを入手することが望ましい。
④洪水による浸水範囲の高精度なシミュレーションを行うため、航空レーザ測量により作成されたデータを入手したが、建物の高さが取り除かれた数値標高モデル(DEM)だったことから、三次元建物データをあわせて利用した。
⑤地震や洪水などの災害による被害を受けやすい箇所を推定するため、過去の土地の履歴を調べる目的で、過去の地図や空中写真のほか、土地の成り立ちを示した地形分類データをあわせて利用した。
⑥河川流域の地形の特徴を表した地形分類図に、過去の洪水災害の発生箇所に関する情報を重ねて表示すると、過去の洪水で堤防が決壊した場所が旧河道に当たる場所であることがわかった。
⑦津波ハザードマップと土砂災害ハザードマップを重ねて表示すると、津波が発生した際の緊急避難場所の中に、土砂災害の危険性が高い箇所があることが分かった。
⑧×国土地理院の基盤地図情報ダウンロードページから入手した水涯線データに対して、GISを用いて標高別に色分けすることにより、浸水が想定される範囲の確認が可能な地図を作成できる。
→水涯線とは、陸部と水部を区画する境(水際)である。水涯線を標高別に色分けしても、問題文のような地図は作成できない。
⑨IPの設置とは、設計条件及び現地の地形・地物の状況を考慮して標杭(IP杭)を設置する作業をいう。
⑩IPの設置では、線形決定により定められた座標値を持つIP点を、近傍の4級基準点以上の基準点に基づき、放射法等により現地に設置する。
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