少年野球の指導あたって、自身が読んだ本をオススメ順にまとめています。
私個人の価値観に左右される部分はありますので、必ずしも順位通りに良書であるという訳ではありませんが、どれから読んでいこうかと考えている方にとって参考になるランキングになればと思っています。
現在で読んだ冊数は8冊です(2025年1月28日時点)。
※書籍タイトルにはアマゾンのリンクを貼り付けています。
評価内容
大きく5つの項目を総合的に評価してランキングを作成しています。
※当初は各項目に点数をつけてランキングを作成していましたが、主なテーマが書籍によって様々であるため、実際にオススメしたいと思う順番と点数の順位が一致しなかったため、最終的な順位のみでまとめていきます。
コストパフォーマンス
いい本、良い内容のものはお金を出してでも手に得るべきだと考えていますが、内容とコストのバランスも踏まえた上で判断していきます。
「この本はお金を出してでも読む価値がある!!」と思えたかどうかという感覚です。
内容の分かりやすさ
内容の分かりやすさ、読みやすさです。難しい言葉が並んでいたり、難しい話ばかりだと中々読み進められないし、自分の中に内容を落とし込みにくいと思います。
内容の充実度合い、具体例
情報量、ボリュームです。内容が充実している方が多くの学びを得られる可能性が高まると思っています。また、内容の量だけでなく、かゆいところに手が届くところまで踏み込まれていると、誤った解釈をしづらくなり、自身の学びにつなげやすくなると思われます。
根拠、明確性
「なんとなくこう思う。」という内容ではなく、具体例や根拠を示して、明確な結論を出している方がより信頼ある情報と考えられます。経験談に基づく内容でも、たった1件の例外を取り上げている可能性があります。参考にするにあたって、データや根拠が明確で、信頼性の高いと思われる結論を話しているかは最重要であると思っています。
実践のしやすさ
根拠の次に大事したいポイントは実践しやすいかどうかです。本は読むだけで終わっては意味がありません。自身の指導に活かしてこそ意味を持つと思っています。そのため、再現性があったり、今すぐにでも取り組めるものがあれば、より実践的な内容であると思います。
ランキング一覧
ランキング形式にしていますが、「絶対に読んだほうがいい」「読んで損はなし」「その他」の3分類に分けてまとめています。
個人的に「1位〜3位:絶対に読んだほうがいい」「4位〜6位:読んで損はなし」と思います。
それぞれの書籍について簡単な感想をまとめているので、参考にしていただけたらと思います。
1位:『新しい少年野球の教科書~科学的コーチングで身につく野球技術~』川村卓(かわむらたかし)・著
第1位は『新しい少年野球の教科書~科学的コーチングで身につく野球技術~』川村卓(かわむらたかし)・著です。
まさに少年野球指導者として教科書となる一冊だと思いました。
少年野球に特化した内容で、指導するにあたって必要な知識から練習方法まで体系的にまとめられています。
内容を考えても、一読の価値は大いにあると思います。
わかりやすい
研究に基づいた内容のため専門用語も出てきますが、分かりやすく言い換えてくれているため難しいと思う内容はありませんでした。
解説内容には画像も含まれているため、文章だけでは分かりにくいところもカバーされています。
内容も充実
子どもの発達段階に基づいて、「投げる、守る、打つ、気持ちや身体の変化」について分けて解説されています。
練習方法や意識してほしいポイントなどが数多く書かれており「取り組んでみよう」と思う練習内容や、「意識してみよう」と思う視点が必ず見つかると思います。
根拠もあり、明確な内容が多い
研究に基づく内容で、根拠ある内容が基本となっているので信頼度の高い情報と思いました。
「経験上~となることが多い」という表現で、まだ解明されていない内容や、効果は人によると言った内容もありますが、指導方針の参考になると思います。
少年野球の現場で実践しやすい
本書は少年野球に取り入れるならという視点で書かれているため、チームに取り入れるイメージのしやすい内容も多くありました。
実際にコントロールをよくするために行う「パラボリックスロー」という玉入れのような練習法については、実践してみて大好評でした。
他にも子どもたちが楽しみながらレベルアップできる練習法も紹介されているので、実践しやすい内容と思います。
2位:『『球導』野球少年を正しく導くためのアドバイス』年中夢球・著
第2位は『『球導』野球少年を正しく導くためのアドバイス』年中夢球・著です。
本書は練習法やテクニックについて書いている技術書ではありません。
指導者としての子どもとの接し方や、心の持ちよう等の、人としての土台に当たる部分について焦点を当てて書かれています。
「指導者として最初に読む一冊」としてはもっともおすすめできる本であるとも思います。
エピソードを中心としてイメージしやすい
実際のエピソードを踏まえた内容で、指導者をしている人にとってはとてもイメージしやすい内容だと思います。
筆者の意見を中心に書かれていますが、「そうだな」と腑に落ちる内容も多く、シンプルで分かりやすいです。
著者の主張は明確でわかりやすい
研究などに基づいた内容ではなく、筆者の経験則や主張を基に書かれていますが、具体例もあり、主張する内容は明確だと思います。
主観による意見が中心ですが、個人的には納得できる内容が多く含まれています。
自分の思う指導者像を見つめ直せる1冊
「こうあるべき!こうしなければならない!」という押しつけではなく、「こうあるべきではないでしょうか?」という問いかけのようなスタンスであり、自身の考えを見直したり、指導者としての振る舞いについて、自分なりの軸となる部分ができるきっかけとなるのではないかと思います。
3位:『子どもの足がギュンッと速くなるキッズラントレ』秋本真吾・著
第3位は『子どもの足がギュンッと速くなるキッズラントレ』秋本真吾・著です。
野球を専門的に取り上げている本ではありませんが、走る能力は野球においても大事な要素のひとつになります。
本書は子どもが速く走れるようになるための姿勢やトレーニングメニューなどをまとめた1冊になっています。
小学生から取り組める内容
本書は速く走るために必要なトレーニングがまとめられていますが、全て小学校から取り組める内容になっています。
また、それぞれのメニューに5段階で強度が示されているので、強度の低いものから選んで取り組んでいけます。
それぞれのトレーニングメニューも写真付きで説明されているのでわかりやすいです。
実際に走るのが速くなった
私が指導した子どもの1人に、学校のクラスでも走るのが遅い方で、走ること自体に苦手意識がある子がいましたが、できる内容をコツコツと積み重ねた結果、クラスのみならずチームでもトップを争うぐらい走れるようになり、走ることへの苦手を払拭したという例もあります。
また、中学生まで50m走のタイムが年齢平均以下だった子が平均以上のタイムを出せるようになった等、指導している中でも効果を実感しています。
4位:『仙台育英日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり』須江航・著
第4位は『仙台育英日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり』須江航・著です。
2022年の夏の甲子園で東北勢初の甲子園優勝、2023年夏にも甲子園準優勝を果たした仙台育英学園高校野球部で監督を務める須江航(すえわたる)氏の書籍です。
少年野球にも通じる部分が多くある
仙台育英高校での実際の取組みや目標の設定方法などについて書かれているため、技術的なレベルは高校生以上のため少年野球にそのまま落とし込めるものではありませんが、おすすめしたいと思った部分は「選手一人一人に向き合う姿勢について気付きの得られる内容が多い」というところです。
言葉の大切さ、指導者としての関わり方、教育者としての関わり方など、高校生に限らず全ての年代に共通しているなと感じました。
近年話題として挙げられることの多い「勝利至上主義」への考え方や「根性や忍耐力」などについても触れられています。
微妙なニュアンスをうまく言語化してくれている
須江監督自身が言葉や相手に伝わることを大切にしていることもあり、「私自身は説明しづらいな、伝えるのが難しいな」という内容についても見事に腑に落ちる表現で書かれていました。
「青春は密」「人生は敗者復活戦」など名言として挙げられる言葉も多く残していますが、それ以外にも様々な感情や思いが正しく凝縮されたであろう言葉が多くありました。
内容に共感できるかどうかは別として、少なくとも指導するにあたっての自分自身の表現の仕方、言葉の使い方、伝え方にヒントを与えてくれる1冊になると思います。
5位:『卒スポ根で連続日本一 多賀少年野球クラブに学びてぇ! これが「令和」の学童指導』トータルテンボス 藤田憲右(ふじたけんすけ)・著
第5位は『卒スポ根で連続日本一 多賀少年野球クラブに学びてぇ! これが「令和」の学童指導』藤田憲右・著です。
対話形式で難しい理論などもなく、とても読みやすいです。
実際の体験談に基づくお話で野球指導者としてはイメージしやすいと思いました。
取り上げられている内容をそのまま全て実践することは難しいかもしれませんが、学ぶことはたくさんあり、部分的に実践していくことはできると思います。
正直この本で取り上げられている辻さんと同じことをしようとするのは、簡単ではありません(という内容もあります)。
QRコードで動画が見られる
本書では、動画のQRコードがあり、練習内容や実際に教えている場面を動画で見ることもできます。スポーツは言葉で説明されるよりも、実際の動きを見たほうが絶対理解度は高くなりますもんね。
文章だけで伝えるよりも、正しく伝わりそうで良いなと思いました。
33年の経験に基づく内容
33年間の経験に基づくお話で、上手くいかなかったことから上手くいったことまで、実験的に取り組んだ結果を話されていて、納得できる内容もありました。
現在も試行錯誤しながらということで、完全に体系的にできるところもあれば、「~と思う。」という推測の部分も半々ぐらいでした。
6位:『少年野球で、子どもをグングン伸ばす47の教えためのアドバイス』桜井一・著
第6位は『少年野球で、子どもをグングン伸ばす47の教えためのアドバイス』桜井一・著です。
保護者の悩みに返答
指導者だけではなく、保護者の方にとっても参考になる内容だと思いました。
保護者のリアルな悩みや質問に返答する形式で書かれており、難しい表現もなくとてもわかりやすいと思います。
本書は大きくわけて「指導するうえでの子どもとの接し方」「投球指導」「打撃指導」の大きく3つに分けられています。
質問形式ということもあり、1つの質問に対しての回答は丁寧に書かれていますが、指導全体として体系立てて書かれているわけではありませんでした。
指導内容というよりも指導するに当たっての大人の心構えの部分を中心に書かれています。
研究などに基づいた内容ではなく、筆者の経験則や主張を基に書かれていますが、なぜそう思うのかという部分も併せて解説されています。
子どもに対してどのように接するのか
子どもにとって少年野球はどのような存在なのか、少年野球の指導をするにあたって、大人は子どもにとってどう接することが望ましいのか、指導する大人側のの方針、考え方について書かれているため、特別な能力がなければ実践できないという内容はなく、意識すれば十分実践できる内容だと思います。
7位:『野球データ革命』森本崚汰・著
第7位は『野球データ革命』森本崚汰・著です。
近年話題となっているデータ野球に関して書かれています。
取り上げられているデータはとても興味深く、練習の目標も立てやすくなる内容も多くありました。
しかしながら小学校指導という観点からみると、目指すレベルが高すぎる内容だったため「その他」として分類しました。
高いレベルを目指す中学生、少なくとも高校生以降の選手にとっては参考になる書籍だと思います。
8位:『野球選手を育てる教科書 少年野球』
第8位は『野球選手を育てる教科書 少年野球』emi著です。
本書は全部で11ページと文量としては多くはありません。
内容として、興味があるだけにもっと具体的な事例や根拠を深堀して欲しいなと言う想いがありました。
本書で取り上げられていた褒め方や褒めるポイント、挑戦(試合出場)の機会を与える判断基準等の具体的な内容があれば、参考にしたいなと思いましたが、残念ながら書かれていませんでした。
さいごに
これからも、自身が学ぶ中でいいなと思った本は随時ランキングにして更新していきます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
みなさんのこれからがより輝くものになりますように。
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