私が小学校の時に所属していたチームの運営をしていた代表と監督の2人に話を聞いてきました。
少年野球の指導に当たり、大人が大切にすることは何か。
ということに対しての1つの考え方、ヒントになる内容になっています。
私が所属していたチーム
私が所属していたチームがどんなチームだったか簡単に紹介します。
結成から1年目で20チームを超える大会(地域の招待大会)で準優勝。
結成5年目には都道府県大会にも出場。この時6年生は3人、5年生2人、あとは4年生以下でした(3年生も1人)。
結成当初は10点差以上の点差をつけられて負けるのは当たり前の状態からスタートしています。
部員も多くはなく、レギュラー争いが激しいわけでもありませんでした。
私は小学4年生で結成1年目からチームに所属したのですが、フライが捕れない、10打席以上連続で三振することもありましたが、それでも試合に出ていました。
まぐれかもしれませんが、それでも1年目で準優勝したり、都道府県大会へと繋がる大きな大会で予選を勝ちあがったことは事実です。
私が最上級生の時は目立った結果は出ませんでしたが、今考えても指導者含めチームには恵まれていたと思います。
主役は子ども
まず第一に話していたのは、子どもが主役であることを理解しておくことです。
「大人自身もいい格好をしたくなるが、グラウンドでの主役は子どもであること。大人が主役になったら何も子どものためにはならない。」
その気持ちを持って指導することが大事になります。
外とのつながりを作っていくのは大人
グラウンドでは子どもが主役になりますが、グラウンドの外(他のチームとの関わりや外部とのやり取り)では大人が主役であると言います。
試合を組んだり、施設を使用させてもらったり、応援してくれる人とのつながりを作るのは大人が活躍する場になるのです。
実際、私が小学生の時は高校野球チームと合同練習させてもらったり、甲子園に出場した選手に練習を見てもらったり、多くの大会に参加させてもらうなどの経験をさせてもらいました。
親だろうとコーチだろうと間違っていたら注意する
大人が大人に注意する。
これは難しいことですが、代表は徹底的に行っていました。
最初に挙げた「子どものため、グラウンドでは子どもが主役」に反する行動に対しては迷わず注意します。
誰にでも言える性格もあると思いますが、それだけ徹底した姿勢を貫けるのは凄いですね。
親がでしゃばると良くない
子どものための場所であるはずのチームが、大人のためになってしまうとチーム環境は一気に悪化します。
チームが勝ち始めた頃から、保護者が周りに自慢を始め、子どもの手柄を親が奪い始め、親が納得するような起用、子どもの活躍ができないと批判するようになってしまったときにチームは一気に崩れていったと言います。
子どもはこのチームで野球を続けたいのに、親が辞めさせるということもありました。
子どもが嫌な気持ちになっているのであれば辞めるのはありかと思いますがですが、子どもは続けたいのです。
誰のための場所か分からなくなる。それを作り出すきっかけは親が必要以上に前に出てくることから始まります。
親も指導者も子ども第一の視点がここでも大切になります。
勝てばいいってもんじゃないが結局は勝つ
勝ちが全てではないと言うことも話していました。
勝ちが全てになったら、勝てなかったらダメになる。でもそんなことはありません。
目の前の試合に勝つかどうかよりも、子どもたちをしっかり見て成長を促し、気持ちを作っていけば結局は勝ちにつながる。
「不思議と勝ってしまう。監督として見ていても、勝てる訳がないと思うチームに勝ててしまったりする。今でも不思議。」と言っていました。
勝てばいいわけじゃないけど、結局は勝つようになってしまうという表現でした。
もちろん子ども達自身は全力で勝ちにいっています。指導者が勝ちを中心に考えないことが大切ということです。
技術で負けても心で勝つ
技術で負けても心で勝つというのはよく言われていました。
どれだけ下手くそでも、弱くても、心では相手に勝つというテーマで取り組んでいました。
そのために伝えられていたのはシンプルに「悔しかったらやってみろ!」の繰り返しでした。
ハングリー精神と言うやつです。
その気持ちがあれば、監督が教えたことも必死に取り込もうとするし、目の前に全力で取り組める。
ライバルに勝つために努力すれば、自分の努力でつかみ取ったものは嬉しいという経験もできます。
その気持ちを作るための手段は昔と現代で違うかもしれませんが、その効果については納得できます。
私自身、実際に必死だったし全力でした。
チームメイト同士でも「〇〇には負けたくない」という気持ちが努力を重ねていました。
成功した時は全員で喜んで今でも忘れられないぐらいうれしい経験もありました。
私だけではなく、他の選手に対してもそのような気持ち作りができていたことが凄いのですが、そうでなければ結成1年目での準優勝や3年生を含めたチームでの都道府県大会出場など考えられないと思います。
とことん付き合う
心で勝つために1つ徹底されていたのは、子どもたちにとことん付き合うことです。
私がバッティング練習で30球ぐらい連続空振りで全く打てない日がありました。
その時、順番を後にして、ヒットが出るまでずっと打たせてくれたことを覚えています。恐らく100球位は投げてくれました。
周りの選手も「頑張れー!」と言ってくれてたし、最後はヒットを打って終わりました。
「あれが最後ヒットを打って終わることに意味があった。あれが空振りで、もうだめ、終わり、とするとそこで腐ってしまうし嫌になる。やればできるということを分かるし、また頑張れる、そこまで時間と労力を使って根気強くやってあげないと成功体験なんてなかなか詰めない。一回コツというかそういうのが分かったら、こうすればいいんだって分かるけど、それを掴むまでなんとかしてあげないといけない。もしかしたら、あの日途中でやめていたら、今の○○(私の名前)はなかったかもしれないしね。成功するまでやるってことがあの時は大事やったんよ。」と監督に言われています。
大納得です。監督も野球を教える人でしたが、それぐらい心を大事に見てくれている人でした。
さいごに
この教えは今の私の野球指導にも繋がっています。
技術指導もしますが、成功体験や挑戦の大切さを教えることが子どもたちにとって最も宝になるのではないかと思っています。
今回のお話が少しでも参考になれば嬉しいです。
これからも自身が経験したり学んだことでためになるなと思うことがあれば発信していきます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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