「高校野球」の指導と「少年野球」の指導は全然違う!その理由3選

子ども

「高校野球と少年野球の違い」

アマチュア野球は小学生〜社会人まで幅広くありますが、最も光を浴びているのは高校野球と言っても過言ではないでしょう。

高校野球は甲子園に代表されるように、数多くの野球少年たちにとって憧れとなっていると思います。

また、指導者にとっても「甲子園歴代◯勝」「名将」など取り上げられることも多く、高校野球指導者の話を参考にする機会もあると思います。

高校野球指導者をイメージして「よし!自分もこうしよう!」と同じように少年野球指導に当たろうと思っている方、

ちょっとまってください!

魅力ある高校野球の世界で、そこから学ぶことは多いかもしれませんが、私は少年野球と高校野球は全くの別物であると思っています。

なぜ私がそう思うのかについてまとめます。

「高校生」と「小学生」では発達段階が違う

まず初めに発達段階の違いです。

当たり前ですが、小学生と高校生は違うということです。

まっすぐ手を上げる。きれいな形で動く。バットはこうやって振る。など

すべての動きに関して、高校生と小学生ではレベルが変わってきます。

成長に伴って、筋力を含めた運動能力や理解力は発達していきます。少年野球ではそれらがまだまだ未発達です。

ある程度能力が備わってきた高校生に対してと、これから能力をつけていく小学生では取り組む内容は全く異なるものになります。

そんなの当たり前じゃないか!!

と思われるかもしれませんが、私の経験上それらを無視した指導をしている人は案外多くいます。

「投げ方が・・・」「バットはこうなってこうなって・・・」「走り方」「身のこなし」など

もちろんそれらを身につけるために取り組んでいくことは大切にしていいと思います。

今後必ず教わりますし、それが練習なのですから。

しかし、ここで私が言いたいのは、その内容が少年達にとってレベルが逸脱していないかということです。

一歩一歩、それぞれの子の成長をみてレベルアップを目指していければいいと思います。

高学年になればある程度理解力も高まっていきますが、それでも全員ではありません。

ましてや高学年と低学年ではもう別世界ぐらい違います。集中力が続く長さもできることも違います。

野球というスポーツを通して学ぶことは一緒ですが、やることは高校1年生と3年生とは比べ物にならないぐらい違うんだと言うことを認識して関わることが大切になると思います。

「同じ方向性や熱量のある集団」と「ごちゃまぜ集団」

次に、どのような子たちが集まるのかについてです。

高校野球では大体同じぐらいの理解度(学力)、運動能力(実力)、熱量(目標)の子たちが集まります。

さらに、そのチームがどのような特徴があるのかについてもある程度理解があります。長打をたくさん打つチームや、守り勝つチーム、どんな戦い方をするかは事前にある程度分かる状態にあります。

スタートの時点で指導者と子どもたちの目標はある程度合致しているのです。

厳しい練習も、難しいことにチャレンジするのも、辛いことを乗り越えるだけの忍耐力も分かったうえで入学、入部することの方が多いのです。

一方少年野球ではそのような共通の目標を持って入ってくる子が集まる場ではないことがほとんどです。

「野球やってみたい!」ぐらいの気持ちで入部してきます。

取り組む中で「甲子園に出たい!」「プロ野球選手になりたい!」と思う子が増えるのは、野球が好きになっている現れなので嬉しいことですが、最初からそういう気持ちを持っている子がいるわけではありません。

また、野球は好きだけどそこまでの気持ちはない。という子も多くいます。

ろんなテンション、価値観、年齢、運動能力を持った子ども達がごちゃまぜ状態になっているのが少年野球です。

そのような状況で高校野球の、それも注目されるような強豪校などの指導者のようにチームを運営していくのは全く状況に合わない指導になることと思います。

現在は少子化ということもあり、強いチーム、弱いチームなどそういうことを話す以前に野球ができるだけの人数を確保することで精一杯となっているチームも多いです。

特に地方などでは、「野球をするなら◯◯のチームだね。」と選ぶことができないのは当たり前です。

高校野球と少年野球ではチームの出来上がり方中身が全く違うというのを理解することが大切です。

「高める場」かそれとも「最初の第一歩目を作る場」か

最後に、高校野球ではそれまで培ってきた能力を高める場となりますが、少年野球はその土台を作る場になるという違いがあります。

前の項でも話しましたが、少年野球は「野球やってみたい!」ぐらいの気持ちで入ってくる子がほとんどと思います。

いわゆる0の状態です。0から1を作るのが少年野球の場であると私は思っています。

私の考えでいくと、高校野球ではそれまで重ねてきた野球経験の5を6,7,はたまた10へと高める場であると考えられます。

高校まで野球を続けている子は野球が好きで続けていると思いますが、その野球が好きの気持ちを作るのが0から1であると思っています

※高校で野球が嫌いになる子も多いようですが、それは大いに問題ありと思っています!!!(それまで好きだったのに!)

野球が好きになっている子どもたちは自然と1から2へ、それ以上へと求めていくように感じています。

仮に2や3で野球を終えるとしても、「野球って楽しいよね。」「野球いいよね。」と言える土台を作ることが大切であると思います。

少年野球は野球を好きになるその第一歩目の場になるのです。そして最初に関わる指導者が少年野球の指導者になるのです。

大人になり、新たな趣味や仕事に興味を持ったとき、最初に関わる人や場はとても大事になるというのは想像しやすいと思います。

野球をこれから始める子どもも同じです。もっと言えば大人以上の不安を抱えていると思って接して欲しいと思います。

楽しかったと言ってもらえる場を作ることが最優先と思っています。

楽しいが先にあれば後のことはどんどん吸収していきます。なぜならその場にいることが楽しいからです。

「既に楽しさを知っている人」に対するのが高校野球。「これから楽しさを知るかどうかという人」に対するのが少年野球。

このことを理解して指導者はチームを作ることが大切と思います。

さいごに

今回は「高校野球」と「少年野球」の本質的な違いを挙げながら、高校野球の指導をそのまま少年野球で実践しても上手くいかないと思う理由についてまとめました。

少年野球に焦点を当てた内容ですが、楽しいから嫌いに変わるきっかけを作ってしまう高校野球指導も問題と思いますし、少年野球の中でも低学年と高学年ではまた違うと思います。

今回は概要的なお話になりましたが、これからも学んだり感じたこと、思うことについてどんどん発信していきたいと思います。

私自身も勉強していきたいと思っておりますので、意見などあれば言っていただけると嬉しく思います。

子どもたちの成長につながる、笑顔が増えるような場が増えるためになるような内容を今後も発信していきたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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