- 高校で野球をしたいと思っているが、その前段階にあたる中学校への進路先で悩んでいる。
- 軟式野球と硬式野球のどっちを選べばいいか分からない。
- 進路先を決める上での判断基準が知りたい。
という方の解決に役立つ内容になっていると思います。
結論:軟式か硬式かについてはどちらでもいい
結論を先に伝えると、私としては軟式と硬式はどちらでもいいと思っています。
なぜそう思うのか、軟式と硬式の違いについてまとめていきます。
自分が成長できるチームかどうかが最も大切
私が軟式と硬式はどちらでもいいと考える最も大きな理由は、
自分が成長できるチームであるかどうかが最も重要と思っているからです。
軟式と硬式では、「ボールの跳ね方」「投げたときの感覚」「打ったときの感覚」などが違います。
打球も硬式の方が速いため、それに伴い守備位置も多少変わってきます。
しかしながら、野球というスポーツにおいてレベルアップに必要な要素というのは
軟式であっても硬式であってもどちらも同じであると思っています。
そのため、自分がレベルアップするために信頼できる指導が受けられる環境、試合経験を積める環境を大事にしたほうが良いと思っています。
よくある疑問
硬式の方が高校で野球をするに当たって有利ではないか?
硬式と軟式どちらにしようと思っている方が持っている認識として
- 「高校でも硬式をするから、硬式の方が有利だと思う。」
- 「軟式上がりだと高校野球スタート時に不利になる。」
と言うものがあると思います。
実際に強豪校と言われるチームの出身や、プロ野球選手の出身チームを見ると中学から硬式野球チームに所属している方が多数派になります。
ただし、この結果を単に「軟式か硬式か」という視点ではなく、「自身が成長できるチームかどうか」という視点で捉えてもらいたいと思います。
中学の部活動(軟式)で野球をする場合、クラブチームのように専門的な指導者がいるわけではありません。
一方、クラブチームであれば野球を専門的に教えてもらえる環境が整っている可能性が高く、成長できる可能性も高くなると考えられます。
成長できる環境が整っている可能性はクラブチームのほうが高く、クラブチームは軟式よりも硬式の方が多いため、結果として硬式を選択した方がその後の活躍に繋がりやすいと言えるのだと思われます。
もちろん軟式野球のクラブチームもありますし、部活動であっても成長できると思える環境が整っている場合もあります。
そのため、軟式であっても「成長できる環境が整っている」といえる環境があれば良い選択肢になり得ます。
実際に軟式野球出身でも高校から活躍することは十分可能です。
例1)私自身、中学の軟式野球部出身ですが高校1年生の春から試合に出場し、1年生の秋には周りが硬式出身で野球推薦の入学者もいる中で、軟式出身者(一般入学)として唯一ベンチ入りもしています。私だけではなく、同じ中学出身の同級生で高校でも野球を続けた5人中4人が同じように1年生から試合に出場し、その内2人は甲子園にも出場してプレーしています。
例2)2023年夏の甲子園に出場した「専大松戸高(千葉)の選手3人」「共栄学園(東東京)の選手3人」プロ野球選手の横山陸人選手(千葉ロッテ)、深沢鳳介選手(横浜DeNA)は全て同じ上一色中学校という東京にある公立中学の野球部出身です。
これらの例をみると、決して「才能があった選手がたまたま軟式をしていた」という特別なパターンではないことがわかると思います。
中学3年間で何を学んだのか、どのような経験を積んだのか、それらのほうが中学を卒業してからの活躍に繋がると考えられます。
怪我のリスクに違いはあるか?
- 「硬式は怪我をしやすいから軟式の方がいい。」
これも硬式と軟式で悩む人に多い認識であると思います。
硬式のほうが怪我をしやすいという考えについては概ねその通りと言えますが、「どちらもケガの可能性はある。」というのが実際のところだと思っています。
ボールの違いによって怪我のリスクも変わりますが、身体の一定の箇所に負荷がかかり過ぎた動作やオーバーワークなどが大きな原因となることもあると考えられます。
投手のお話になりますが、メジャーリーグで活躍する選手が肘の内側(内側側副靭帯)を怪我することは多く、トミー・ジョン手術をしたというニュースは良く聞く話だと思います。
怪我の原因についてはその都度取り上げられていますが
- マウンドの硬さによる上半身への負荷
- 日本よりも滑りやすいボール
- スライダーやフォークなど、肘への負担がかかりやすい球種中心の組立
- 日本よりもローテーションの短い投球日程
- 一級品の球を投げられる=それだけ負荷も大きい
など原因は決して一つではなく多くの要素が絡み合っています。
そのうえで、硬式と軟式による怪我の違いについて私の考えをまとめていきます。
投球に関する怪我
投球に関して(野球肩や野球肘)は、若干硬式の方がリスクが高いと言えます。
理由としては、硬式球の方がボールが滑りやすく、少し重たいことが挙げられます。
投球動作で腕を振ったとき、ボールには遠心力がかかります。
このとき、遠心力に負けないよう(ボールが抜けてしまわないよう)に肘の内側や指先などには負荷がかかります。
この負荷は、ボールが滑りやすい方が大きくなり、重たいほうが大きくなります。
そのため、硬式球の方が軟式球よりも投球に関する負荷が大きくなり、結果として怪我のリスクは高いと言えます。
衝撃による怪我
硬式はボールが硬いため、骨折や打撲などのケガの可能性が高くなります。
一方で軟式はボールが柔らかいため、衝撃という観点では比較的安全と思われますが、目にボールが当たった時は、ボールが柔らかい分変形してしまうため、眼球に直接ダメージを与えるリスクが高くなります(衝撃の強さにもよるが、硬式の場合は目の周りの骨で眼球は守られる)。
怪我のリスクは潜んでいる
スポーツにおいてレベルアップを目指す上でケガのリスクは常に潜んでいます。
元々できなかった動作をしようとしたり、他の人が中々できない動きをしようとしている時点で、何らかの負荷はかかっていると考えるのが自然と思います。
ケガのリスクを完全に排除することはできませんが、進路先の指導者やチームがケガについてどのような認識を持って指導されているかについては、判断基準にはなると思います。
判断基準
軟式か硬式かよりも、成長できる環境を大切にする!
これが本記事で伝えたかった内容ですが、最後に判断基準となりうる要素をまとめたいと思います。
全て当てはまらなくとも、判断基準のヒントになればと思います。
チームと指導者を信頼できるか
目に見えない判断基準ですが、チームの方針や指導者を信頼できるかは大きなポイントになります。
選手、保護者側が不信感を持っている時点で、成長できる環境とは言えません。
盲信する必要は全くありませんが、上手くいかない時や、厳しさに直面した時にこの信頼があるかどうかで成長できるか、不満を抱えただけになるかの分かれ目となります。
同じ出来事があっても肯定的に見れるのか、それとも悲観的に見てしまうのかは信頼関係が基になると思っています。
試合に出場できる見込みがあるか
試合で得られる経験は、練習には代えられない経験になります。
そのためできる限り、試合に出場できた方がいいと思います。
全く出場できないと思われるチームよりはある程度レベルは下がったとしても試合に出場できたほうが得られる経験は多いと思います。
しかし、必ず試合に出場できるチームがいいのかと言われるとそうではありません。
今は実力が不足していても、ここでレギュラーを獲って試合に出る!という気持ちがあればそれはそれでチャレンジする価値は大いにあると思います。(そこで勝ち取った試合出場はものすごく大きな成功体験となるでしょう。)
実力主義のチームもあれば、上級生が自動的に試合に出場するというチームもあります。
試合に出場できるかという判断基準を上げましたが、試合に出られなくてもこの人、このチームに教わりたいという場合もあるでしょう。
ここは信頼関係や価値観も含めた内容になると思います。
あとはそれぞれ個人オリジナルの判断基準を
わたしが思う判断基準は以上の2点のみです。
あとは、それぞれ個人がここは大事にしたいと思う判断基準でチーム(環境)を選択すればよいと思います。
これは子どもの都合だけではなく、保護者の都合も併せて考える必要があると思います。
子どもだけがやる気でも親の負担が大きすぎると純粋に応援できなくなりますよね。
逆に親が「このチームがいい!」と言っても子どもにとっては行きたくないチームかもしれませんよね。
この辺りは、親子含めて何を大切にするかが違うと思いますので、オリジナルの判断基準をもって選択できればと思います。
そうすれば、軟式、硬式にとらわれず自身が成長できるチーム(環境)選びができるのではないかと思います。
さいごに
今回は中学野球で軟式と硬式どちらを選べばいいかという内容を記事にしました。
結論としては軟式と硬式というくくりではなく、自身が成長できる環境を選ぶことが大切です。
そのための判断基準として今回の記事が少しでも参考になれば嬉しく思います。
自分がいいなと思える環境で、思いっきり楽しんで野球をしてもらいたいと思います。
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