【機械の安全性、社会的責任】

技術士一次試験

実際に私が勉強に使用したオリジナルまとめノートを公開しています。

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平成25年度試験~令和2年度試験の内容まで反映しております。

赤文字は重要ポイントです。

【機械の安全性(ISO12100)】

国際的に機械類の安全性を確保するための基準確立の必要性が高まる中、2003年11月に国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)によってISO12100が発行された。

〇ISO12100は機械の安全性に関して、設計のための基本原則、用語等を定める国際規格であり、すべての機械類に対して一般的に適用可能な安全構築のルールを定めている。

〇機械の信頼性とは、機械、構成品又は設備が指定の条件のもとで、ある定められた期間にわたって故障せずに要求される機能を果たす能力のことをいう。

〇機械安全におけるリスクアセスメントとは、機械の制限に関する仕様、危険源の同定及びリスク見積りの組合せ及びリスク評価を含む全てのプロセスを意味する。

〇本質的安全設計方策とは、ガード又は保護装置を使用しないで、機械の設計又は運転特性を変更することによって、危険源を除去する又は危険源に関連するリスクを低減する保護方策と定義される。

〇機械設計者によるリスク低減の保護方策としては「本質的安全設計方策」「安全防護及び付加保護方策」「使用上の情報の方策」が定義されている。

【社会的責任(ISO26000)】

企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)という言葉が重視されるようになって、しばらく時が経っている。この世界的潮流を重視した国際標準化機構は,2010年11月にISO26000「社会的責任に関する手引き(Guidance on social responsibility)」を発行した。

〇近年、世界中で環境破壊、貧困など様々な社会的問題が深刻化している。また、情報ネットワークの発達によって、個々の組織の活動が社会に与える影響はますます大きく、そして広がるようになってきている。このため社会を構成するあらゆる組織に対して、社会的に責任ある行動がより強く求められている。

〇企業の社会的責任として、反社会的勢力(例えば総会屋)への便宜供与の禁止や、金融不祥事の撲滅が長年注目されてきたが、近年それに加えてポジティブな側面、例えば社会や環境に関する問題意識を、その事業活動やステークホルダーとの関係の中に、自主的に組み込んでいくことにより持続的発展を図るといった側面が注目されるようになってきた。

〇組織が社会的責任に取り組み、実践するとき、その包括的な目的は持続可能な発展に最大限に貢献することである。

〇大学の自治は尊重されなければならず、その具現化には大学に属する個々の研究者の研究活動の自由を保障しなければならないが、その一方で、研究不正防止の観点から個々の研究者の研究活動を組織的に管理することを求められるようになっている。

〇グローバルに行動する企業や団体は、世界的に採択・合意された普遍的な価値として国際社会で認められている、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止に、自発的に取り組むべきとの考え方が一般化しつつある。

〇ISO26000は組織が担うべき社会的責任を明示したものであって、公人としての個人、プライベートな個人の責任については対象外としている。

〇ISO26000では組織が株式会社の場合でも、ステークホルダーは株主に限定されない

〇ISO26000は認証規格ではないため、ISO9001(品質マネジメント)やISO14001(環境マネジメント)とは違い、組織がいかに社会的責任を果たしているかを、専門の外部機関が認証するときのためのガイダンスは明示されていない。

〇技術ノウハウの尊重は原則に取り入れられていない。

〇大学では、学生のカンニングを摘発した場合には教育的観点から当人に厳しく注意するが、カンニングが発覚した科目の単位を与えないなどの処罰は大学ごとに規定が設けらていることが一般的。

〈ISO26000提示されている7つの社会的責任の原則〉

  1. 説明責任
    • 組織の活動によって外部に与える影響を説明する。
    • 消費者の苦情や紛争解決のために,適切かつ容易な手段を提供する。
  2. 透明性
    • 組織の意思決定や活動の透明性を保つ。
  3. 倫理的な行動
    • 公平性や誠実であることなど倫理観に基づいて行動する。
    • 有事の際に迅速かつ適切に行動することにより被害拡大防止を図る。
  4. ステークホルダーの利害の尊重
    • 様々なステークホルダーへ配慮して対応する。
    • 消費者を含むステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを強化して信頼関係を構築する。
    • 消費者の期待を踏まえて製品安全基準を設定する。
  5. 法の支配の尊重
    • 各国の法令を尊重し順守する。法令等を遵守した上でさらにリスクの低減を図る。
  6. 国際行動規範の尊重
    • 法律だけでなく,国際的に通用している規範を尊重する。
    • 製造物責任を負わないことに終始するのみならず製品事故の防止に努める。
  7. 人権の尊重
    • 重要かつ普遍的である人権を尊重する。
    • 将来的な社会の安全性や社会的弱者にも配慮する。

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