実際に私が勉強に使用したオリジナルまとめノートを公開しています。
試験勉強の手助けになれば嬉しく思います。
平成25年度試験~令和2年度試験の内容まで反映しております。
赤文字は重要ポイントです。
【COI(Conflict of Interest)】
科学研究と産業が密接に連携する今日の社会において、科学者は複数の役割を担う状況が生まれている。このような背景のなか、科学者・研究者が外部との利益関係等によって、公的研究に必要な公正かつ適正な判断が損なわれる、または損なわれるのではないかと第三者から見なされかねない事態を利益相反という。法律で判断できないグレーゾーンに属する問題が多いことから、研究活動において利益相反が問われる場合が少なくない。実際に弊害が生じていなくても、弊害が生じているかのごとく見られることも含まれるため、指摘を受けた場合に的確に説明できるよう、研究者及び所属機関は適切な対応を行う必要がある。
正誤問題
〈正〉
〇公的資金を用いた研究開発の技術指導を目的にA教授はZ社と有償での兼業を行っている。A教授の所属する大学からの兼業許可では、毎週水曜日が兼業の活動日とされているが、毎週土曜日にZ社で開催される技術会議に出席する必要が生じた。そこでA教授は所属する大学のCOI委員会にこのことを相談した。
〇B教授は自らの研究と非常に近い競争関係にある論文の査読を依頼された。しかし、その論文の内容に対して公正かつ正当な評価を行えるかに不安があり、その論文の査読を辞退した。
〇D教授は自らの研究成果をもとに、D教授の所属する大学から兼業許可を得て研究成果活用型のベンチャー企業を設立した。公的資金で購入したD教授が管理する研究室の設備を、そのベンチャー企業が無償で使用する必要が生じた。そこでD教授は事前に所属する大学のCOI委員会にこのことを相談した。
〈誤〉
✕C教授は公的資金によりY社が開発した技術の性能試験及び、その評価に携わった。その後Y社から自社の株購入の勧めがあり、少額の未公開株を購入した。取引はC教授の配偶者名義で行ったため、所属する大学のCOI委員会への相談は省略した。
→研究者と生計を一つにする家族(配偶者、子供など)についても省略すべきものではないため不適切。
事故に対する技術者等の責任
多くの事故の背景には技術者等の判断が関わっている。技術者として事故等の背景を知っておくことは重要である。事故後、技術者等の責任が刑事裁判でどのように問われたかについて。
〇2006年、シンドラー社製のエレベーター事故が起き、男子高校生がエレベーターに挟まれて死亡した。この事故はメンテナンスの不備に起因している。裁判では、シンドラー社元社員の刑事責任はなしとされた。
〇2005年、JR福知山線の脱線事故があった。事故は電車が半径304mのカーブに制限速度を超えるスピードで進入したために起きた。直接原因は運転手のブレーキ使用が遅れたことであるが、当該箇所に自動列車停止装置(ATS)が設置されていれば事故にはならなかったと考えられる。この事故では、JR西日本の歴代3社長は刑事責任を問われ有罪となった。
〇2004年、六本木ヒルズの自動回転ドアに6歳の男の子が頭を挟まれて死亡した。製造メーカーの営業開発部長は、顧客要求に沿って設計した自動回転ドアのリスクを十分に顧客に開示していないとして、森ビル関係者より刑事責任が重いとされた。
〇2000年、大阪で低脂肪乳を飲んだ集団食中毒事件が起き、被害者は1万3000人を超えた。事故原因は、停電事故が起きた際に、脱脂粉乳の原料となる生乳をプラント中に高温のまま放置し、その間に黄色ブドウ球菌が増殖しエンテロトキシンAに汚染された脱脂粉乳を製造したためとされている。この事故では、工場関係者の刑事責任が問われ有罪となった。
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