火力発電所放水口における温排水の放水方式及び取水方式

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火力発電所放水口における温排水の放水方式

・放水方式には、表層放水と水中放水とがある。
・表層放水は従来から多くの地点で採用されている方式で、表層に1ⅿ/s以下の低速で放水する。表層放水された温排水は周辺の海水を巻き込みつつ海の表層を2~4m層の厚さで拡散し、放水口から遠ざかるに従い、周辺海水との混合や大気への熱拡散により水温が低下し周辺の海水温となる。
・表層放水方式では、放水された温排水の大部分は密度流となって表層部を流れ、水平拡散によって希釈される。
・表層放水方式は、放水口の開口幅を広くすることにより放水口出口の流速を低減することが可能であり、船舶の運航が多い地点で一般に採用される。
・表層放水方式では、温排水の拡散面積は流水流量と比例する傾向がある。
・水中放水は水中に設置した放水口から2~5m/s程度の高流速で放水する方式であり、放水口付近で周囲の海水を多量に巻き込むことにより水温を急速に低下させ、拡散範囲の縮小を図ることができる。特に原子力発電所では、近年水中放水方式を採用する地点が多い。
・水中放水方式による温排水の拡散面積は、表層放水方式によるものと比べて小さい。
・水中放水方式は、比較的高流速で放水する方式であり、放水流動に伴う周囲水の連行と温排水の浮力による周囲水との混合により希釈される。

火力発電所放水口における温排水の取水方式

・取水方式には、表層から取水する方式と、温排水の再循環防止や、水温が低い海水の取水を目的に5~10m程度のやや深い水深(夏季の温度躍層以深)から取水する深層取水と呼ばれる方式とがあり、後者を採用している地点が多い。

・取放水口の配置に当たっては、放水流が再循環しないように留意する。
・冷却用水の取放水方式は、取水と放水が相互に影響を及ぼさないこと、および立地点の地形、海象、生物の分布、漁業の実態などを勘案し選択される。事業者には実行可能な範囲で配慮、対策をとることが求められており、設計や施工にあたっては環境保全の観点からの様々な配慮がなされている。
・取放水路の形状は、管路に比べて開水路の方が一般に建設費が安くなる。しかし、開水路の場合は敷地の有効面積を減少させ、敷地を二分することになって、橋梁の必要性も出てくる。

・開閉所、変電所は、送電線の引出し及び塩害防止に十分留意した位置とする。
・発電所本館とボイラーとはできるだけ近接させ、各種配管類の延長を減ずるよう留意する。
・燃料受け入れ設備は、構内との接続に便利なことはもちろんであるが、船舶の操船に便利なように、その地点の気象、海象の諸条件と合わせて検討する必要がある。

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